アインシュタインと相対性理論の世界

3章 一般相対性理論の誕生

特殊相対性理論に足りないもの---二つの相対性理論

光は1秒間に30万キロメートルも進みます。 人類が開発した最も速いロケットでさえ、秒速20キロメートルなので、光速の0.007%もありません。
相対性理論の効果は、光速に近いスピードで移動しないかぎり際立ってきません。
このため、日常では光速に近いスピードで何が起こるか実感することができないのです。



相対性理論は二つあります。1905年に発表された特殊相対性理論と1917年に発表された一般相対性理論です。



特殊と一般では何が違うのでしょうか?



特殊相対性理論とは、「ある特殊な状況下だけで通用する」相対性理論です。
一方で、一般相対性理論は「状況によらずいつも成り立つ」相対性理論で、非常に一般的です。



特殊な状況とは、一定の速度で動くか、まったく動かない状況のことです。
だんだんとスピードが上がっていく状況(加速している状況)は範囲外です。



特殊相対性理論が完成したとき、アインシュタインは自分の理論に不満を持っていました。
当時、重力はどんなに遠くても一瞬で伝わると信じられていたのです。
つまり、無限のスピードです。



しかし、特殊相対性理論では、光速がこの世で最も速いスピードであることを見出しました。
つまり、重力のなぞを解かない限り、相対性理論は完成しないのです。



そこでアインシュタインは、重力も含んだ相対性理論「一般相対性理論」の構築を目指したのです。




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