アインシュタインと相対性理論の世界

3章 一般相対性理論の誕生

カーナビと相対性理論

GPSは人工衛星を利用して、地上場所を正確に調べる米国のシステムです。
元々は軍事用に開発されたものですが、現在では民間にも開放され利用されています。



その利用の一つがカーナビです。
カーナビは、まず、自分のクルマのいる位置を人工衛星からの電波で知ります。
クルマは3つ以上の人工衛星からの電波を受け、そのわずかな時間の差から自分の位置を知るのです。
人工衛星は精密な時計を積んでいます。
人工衛星は宇宙にいるので、重力の影響を地上ほど受けません。

このため地上と比較して、相対性理論の影響によって時間が少し速く進みます。
地上では、わずかな時間差で距離を割り出すので、この効果は無視できません。

一方で、人工衛星は高速で飛んでいます。
このため、時間が少し遅れます。

結局、小さい重力による時間の進みと高速による時間の遅れの差し引きで、時間は地上よりわずかに速く進みます。
その量は1秒あたり100億分の4.45秒です。
(出典:図解雑学よくわかる相対性理論)
この進み分をあらかじめ見越して、時計を遅らしておくのです。

相対性理論が誤っていると強く主張する人がいます。
その方たちはカーナビを使っていないのでしょうか?

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