3章 一般相対性理論の誕生
双子のパラドックス
相対性理論の矛盾
双子の宇宙飛行士A、Bがいます。Aはロケットに乗り10光年先の星まで行き、もどってくるというミッションが与えられました。
その間、Bは地上勤務となり、Aのロケットをモニターする役割になりました。
光速に近いスピードで飛ぶのでAの時間はゆっくり過ぎていきます。
その結果、Aが地球に戻ったとき、Bよりも若いことになります。
これをAのロケットから見ると、地球が光速に近いスピードで移動していることになります。
このため、AよりもBの方が若いことになります。
見る立場 時間の経過 その結果
地球から見た場合 ロケットは速いのでAの時間はゆっくり進む。 Aの方が若い
ロケットから見た場合 地球は速いのでBの時間はゆっくり進む。 Bの方が若い
これは明らかな矛盾です。
これを双子のパラドックスといいます。
もし、本当にこのような宇宙旅行を行ったら、年を取るのはAでしょうか?
Bでしょうか?
それとも、年齢に差は生じないのでしょうか?
パラドックスの答えは?
この矛盾を解くカギが加速度運動にあります。
地球を出発したロケットは段々とスピードを増し目的の速度に達します。
ロケットは星に付いたら、向きを変えて地球を目指さなくてなりません。
そのためには、星に到着するずいぶん前から、少しずつスピードを落とす必要があります。
星で向きを変えたら、またスピードアップします。
つまり、ロケットは行きも帰りも加速をしなくはなりません。
ロケットの内部では加速により見かけの力が生じます。
等価原理のため、この力は重力と区別がつきませんでした。
重力の有無は時間の経過に影響を与えます。
このため、ロケットのAの方が年を取ります。
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